サラリーマンの副業など個人事業を始めたらぜひ開業届を出しませんか?開業届を出すことにより、色々なメリットがある青色申告ができるようになります。青色申告のためではなくても、自分は事業をやっているんだ! 社長なんだぞ!と心構えを新たにすることもできます。
でも、開業届を出そうと思い立っても、
「開業届ってどこに出すの?」
「いつ出せばいいの?」
「書き方は?」
と、疑問がいっぱい。今回はそんな疑問を解消できるよう開業届についてまとめました。
開業届を出すメリットと提出方法
開業届とは
開業届と一般的に言われていますが正式には、「個人事業の開業届出」と言い、新しく事業を始めたときに提出する手続きのことです。
開業届のメリット
第1のメリットは、節税です。
経費として認められる項目が増えることにより、課税額を少なくすることができます。
個人事業の場合、自宅で仕事をする人も多いでしょう。そんな人は、家事関連費用を経費として計上できます。家事関連費用とは、家賃や水道光熱費、通信費(インターネット代、電話代)などです。ただし全額まるまる経費にできるわけではなく、事業に使用した割合に応じて家事按分します。
第2のメリットは、屋号付きの銀行口座を開設できる。
事業を行う上で、屋号付きの銀行口座を持っていると取引先やお客様に安心感を与え信用度がアップします。多くの銀行は、屋号+本名での口座開設となります。屋号のみの口座を開設できる銀行もあります(この話は別途)。
第3のメリットは、事業を始めたことを公にすることにより頑張るんだという気持ちになる。
事業をやっていく上でモチベーションの維持はとても大切です。会社を設立したわけではありませんが、一国一城の主として事業を経営している社長になったと自負したり、家族や友人に自慢することもできます。
開業届のデメリット
第1のデメリットは、事業所得が少ない場合でも確定申告が必要。
サラリーマンの副業で開業届をしていない場合、利益は雑所得となり、20万円以下なら確定申告の必要はありません。開業した場合は、事業所得となるため確定申告が必要です。赤字となった場合でも青色申告すれば、翌年度に赤字繰り越しができるので確定申告をした方が良いでしょう。
第2のデメリットは、失業した場合失業保険が出ないかも。
会社をリストラされたとしても、個人事業を行っているので失業状態とは認められない場合があるそうです。ただ後ろ向きな考えはやめて、個人事業で生計を立てるくらい稼ぐ気持ちで頑張りましょう。
第3のデメリットは、扶養から外れる可能性がある。
サラリーマンの副業で配偶者の名前で開業した場合、健康保険組合によっては配偶者を扶養家族として認めない場合があります。その場合、国民健康保険に加入するなど手続きが必要になります。
デメリットはありますが、だからといって開業届を出さないほうが良いとは言いきれません。みなさんそれぞれの事情をよく考えて、開業届を出したほうが良いか悪いかを判断しましょうということです。
開業届の提出先
開業届は、税務署に提出します。
自由にどこの税務署でも良いわけではなく、事業を行っている所在地を管轄する税務署です。
個人事業主の場合は、自宅で仕事をしている方が多いのではないでしょうか?そんな人は自宅住所を管轄している税務署となります。
どこが管轄しているのかわからない場合は、国税庁のホームページで調べることができますし、どこかの税務署に電話をかけて問い合わせるといいでしょう。
開業届を出すタイミング
開業届を出すのはいつでもいいんです。
「えっ? 出す時期が決まっているって聞いたことあるよ」
と思う人もいることでしょう。
「事業を始めた人は1ヶ月以内に開業届を出さなければならない」と法律で決まっていますが、1ヶ月以上経過してから提出しても罰則はありません。サラリーマンが開業届出なしで副業をしている場合、利益は雑所得として確定申告をすれば問題ありません。色々なメリットの恩恵を受けることができなくなるだけです。
ただし、青色申告の届け出については、期限がきっちり決まっていますので注意して下さい。
開業届の書き方
開業届なんて見たこともないしどのように書けばよいかピンときませんよね。
まずは、開業届の用紙を入手しましょう。開業届は、税務署の窓口に置かれていますし、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。
開業届の記入は以下の画像を参考にして下さい。ほとんどの項目は迷いなく記入できると思います。
・職業欄は、事業を行った時に名のる職業を記入 Webクリエイター、アフィリエイターなどでOK。職業名に決まりはありません。
・屋号は、記入しなくてもOKですが、何か愛着を持てる名前を考えることをオススメします。運営しているWebページのタイトルや○○屋、○○会社など自由に決めて構いません。
・事業の概要は、具体的にどのような事業なのかを記入して下さい。「Webサイトを作成し広告収集を得る」など。
開業届が完成したら税務署に提出しましょう!